ISBN:4840220964 文庫 橋本 紡 メディアワークス 2002/05 ¥599
そこはスクールと呼ばれていた。たった八人の生徒しかいない学校だ。八人はみな、知っていた。自らが・・・・・・いや、そこにいる全員が、やがて無残な死を迎える運命にあるのだと。
一方、SIFMAに収容された拓己は、眠りつづける唯をただ眺めていた。彼は小さな声で呟く。唯はもうこのまま目覚めないほうがいいんだ、このまま眠っていたほうがいいんだ──。これ以上、唯が傷つく姿を見たくなかった。唯を守りたかった。
八人と拓己が出会うとき、運命の輪が、優しく、冷徹に、まわりはじめる・・・・・・。
第4回電撃ゲーム小説大賞<金賞>受賞の橋本紡が贈るラブ・ファンタジー2巻。


 前作を読んだのはずいぶんと前だったのでずいぶん内容を忘れていたのだが…

 1巻は
「こんな終わりで良いのか?意味不明な言葉ばかりだし…」
 と思っていたが2巻で大体の事が分かりつつあるし。買って良かったのかもしれない。登場人物が若干増えているし。

 ちなみに表紙を飾っている唯ちゃん…
「今回ずっと寝てばかり」
 …つかヒロインが七海になりつつあるのは自分の考えすぎだろうか?

 主要な登場人物は全員14歳。中学生にあたる年齢で…一番複雑な心境の時。その時期に何者かを植え付けられ、隔離され、外部との連絡も遮断されてしまった子どもたち。
 その状況の中でそれを日常として捉えつつも違和感を感じ過ごしている。自分たちは「実験体」で「いつ死ぬか分からない存在」である事を意識しつつ過ごしている。

 非日常の光景の中で現実の中学生の心理状態をちゃんと重ねていて、SFと現実を混ぜていると感じた。

 唯にもうこれ以上苦痛を味合わせたくないから…もう目覚めないで欲しいと思った拓己。
 望んで死ぬことができたのに組織によって蘇生させられた唯。
 生きていることを分かろうとするために自分を傷つけてしまう七海。
 過去を思いだし苦しめられ、想いを捨て拓己に当たる直人。
 弥生に思いを寄せかなわないと分かっていても想う孝弘。
 傷ついた宝石を握りしめたまま死んでいった少年の話をする遙。
 拓己の転校初日に死亡した豊。
 特に出番が無く3巻に突入する弥生と茂。

 日常から次第に非日常に進み…その中でどうしてこういう事になったのか疑問に思い始めるスクールの生徒。どう話が展開するのかなかなか興味深い所。

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