ISBN:4063413756 コミック みやうち 沙矢 講談社 2004/02/13 ¥480

 妹が買ってきたマンガを読むことが最近多くなった気がする。
 自分が買うものはほとんど文庫本で、好みが違うので全然読んでもらえないのだが。
 仕方あるまい。

 これを書いているみやうちさんは極度の犬好きだ。
 実際に犬も飼っているようで。
 なるほど、犬がやけに上手いと思ったらそういう理由があるのか。
 もふもふした感じがたまらない。
 ええ、自分も犬好きですとも。

 話は盲導犬の話。
 ただし、ちょっと「盲導犬の話では無い」と言った方が良いか。
 どうしてこういう言い方をするかと言えば
・パピーウォーカー
・リタイヤ犬
 この2点に焦点が合わせられているため。
 大体盲導犬の話というとどうしても「仕事をしている」ところが論点であり、話になる。
 この場合「盲導犬になるため」と「盲導犬として仕事を終えた」ところに注目されている。
 改めて考えてみればどうぶつ奇想天外と似たような感じだな。

 盲導犬の寿命はペット犬と比べると短い。
 仕事のストレスだったり、働き過ぎだったり。
 仕事が出来なくなると老犬ホームと呼ばれる施設に行くか元の飼い主の所に行くらしい。
 それが盲導犬の「老後」
 大体10年程度で引退らしいが…
 そのあとどれだけ生きることが出来るか。

 話がずれてしまった。
 この話に出てくるのは瞳とアイ。
 最初は瞳が小学生時代、アイを1年間預かるパピーウォーカーとしての話。
 引っ込み思案で自分の思いを表に出さない一人が初めて自分から言い出したのは
「パピーウォーカーをしたい」
 その願いだった。
 そして1年間、アイと一緒に生活し、次第に明るくなる。
 しかし1年は短いもので、すぐにお別れが来る。
「足を怪我したら盲導犬として働かなくてすむ」
 そう考えた瞳だったが結局出来ず。
 そしてとある事情からアイを協会に戻す決心をする。

 その別れから10年。
 アイが瞳の所に戻ってくる、仕事を終えて。
 しかし10年という月日は長く、以前のアイとは変わっていて愕然とする。
 喜んで駆け寄ってくると思いきや落ち着いた雰囲気で寄ってくるだけ。
 10年の溝の深さを感じる瞳。
 そしてそれ以上にヒロと呼ばれるアイの元飼い主(要するに盲の人)が家に来る。
 ヒロにはしっぽを振って喜ぶ様子を見て何とも言えない心境になり、ついにはヒロに当たってしまう。
「アイは私のもの」と言って。

 恋愛中心だが、それ以上に犬との絆などが書かれていてなかな面白い作品。
 ここまで犬が関わるコミックも珍しいのではないだろうか。
 犬が鎹(かすがい)となり、人と人を結びつける。
 これがみやうちさんのテーマだろうか。

 犬、飼いたいなと思わせる作品。
 ふかふかしてそうだよなぁ…

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